こんにちは、みなのです。
この記事では、やめとけと言われるほど闇の深いSES企業の実態について語っていきます。客先常駐という働き方のメリットやデメリットも記載しているので、就職に迷ってる方の参考にどうぞ。
あくまで僕が働いていた会社の話で、他の企業が絶対そうとは限りません。
そもそもSESってなに?

SES(System Engineering Service)とはソフトウェアやシステムの開発、保守、運用など特定の業務に対して技術者の労働を提供する契約です。
SES企業はゆるい面接で雑に労働力を仕入れ、右も左も分からない人材を人手不足で困っている企業へ期間限定で売り飛ばします。
SES企業に就職したきっかけ
僕は前職のSEを適応障害で退職後、1年ほど就活をして疲労困憊の中でやっと出た内定がインフラエンジニア系のSESでした。当時はSESの存在を知らなかったので、プログラマーからインフラエンジニアへの転向だな、などと軽く考えていました。
ちなみに、SES企業への就職難度は非常に低いです。なんせ、ろくにスキルなんてなくても現場に出してしまえば会社は関係ないですからね。スキル不足で苦情は来るでしょうが、基本的にキツいのはエンジニアだけです。
SES企業を見分ける方法

簡単なので紹介しておきます。勤務地を見れば分かります。
勤務地 東京、神奈川、千葉、埼玉のプロジェクト先
希望考慮 転勤なし
勤務地 首都圏・関西・愛知・広島・福岡・札幌のプロジェクト先
希望を考慮して決定 在宅勤務OKの案件あり!
など『プロジェクト先』という文言を勤務地に記載している企業です。
SES企業で働く流れ

SES企業に入社後の流れを書いていきます。
【1】研修
僕の会社では、約1か月の研修がありました。他は分かりませんが、研修があるだけマシなのでしょうか。
とは言っても、ただテキストを渡されて自習の形でした。前職である程度の経験がある僕は特に何も問題は無かったですが、IT業界がはじめてという同期はすごく大変そうだったのを覚えています。
正直、あの程度の研修で仕事が出来るなら世の中のインフラエンジニアは職を失くしますよ。
【2】面談
研修が終わっていよいよお仕事!とはならず、面談という名の面接ラッシュが始まります。人手が足りない企業へ足を運び、自分を売り込むわけです。
何故働き始めてからも面接なんてしないといけないのか意味が分かりません。面談と言いつつ、ダメは時は普通に落ちます。
営業は良いように僕らエンジニアを売り込んでるので、話が嚙み合わないなんてことは頻繁にあります。聞いたことの無いような技術の話も、知ってる前提で面談が進みます。
何故かって?スキルシートを詐称しているからです。
ちなみに面談で合格しなければ、ずっと自社待機となります。合格すれば、いよいよ客先でのお仕事が開始します。
【3】入場
現場への入場初日は、よくわからない人たちにリレーのバトンのごとくたらい回しにされて現場に向かいます。
本当に誇張なくよくわからない人が登場しますが、その正体は『これから全く関わることが無いけど何故か自分の働いた給料を中抜きする人たち』です。
(´・ω・`)出荷よー
【4】現場で働く
入場後は、配属された現場へ毎日出勤することになります。例外として、勉強会だの帰社日などがあります。
ちなみに、自社の人間はいません。いくら未経験でも、自社からのサポートは無いです。
契約の終わりが近づくと営業から通達があり、また面談が始まります。僕の場合はだいたい長いところで9か月、あとはだいたい3か月くらいで現場が変わりました。
以下、面談からのループです。これがSES企業で働く一連の流れです。
SES企業のつらいところ

次に、SES企業で働いてみてつらかったところを挙げていきます。
案件ガチャがキツい
これは結構言われてることで、とにかく現場(常駐先)のガチャ要素が強いです。世の中には案件を自分で選択できるSESの企業もあるらしいですが、少なくとも僕の勤めていた会社ではそういった制度はありませんでした。
1年半勤めて合計4つの案件に参画しましたが、だいたい何かしら問題を抱えている現場でした。炎上(しかけ)案件とか、変わった人間が多かったり、あと環境がレガシーすぎて効率が悪すぎたりとか。
多重請負すぎる
多重請負とは、上流の企業が下流の企業へ仕事を流す、それが幾重にも重なる構造のこと。我々SES会社の社員はヒエラルキーの最下層。
受け持った案件で最も多かったのが5重請負。入場時に何人もの見知らぬ営業さんにパスされ続けて、中間の4人くらいはそれ以降一切お会いすることすら無かったです。
自社の人間が現場にいない
働く流れの部分でも軽く触れましたが、現場に自社の上司や同僚が一切いません。そもそも面談の時点で1人で行かされてるわけだから、いるわけがありませんが。
相談相手もいないし、元々猫の手も借りたい状態だからSESでエンジニアを引っ張って来てるわけで、現場の人間はみんな忙しそうで困ったことがあってもすぐに聞きづらい。
そもそも、自社の人間が上司として一緒に常駐してエンジニアに指示を出すのが本来あるべき姿で、現場の人間がSESで来てるエンジニアに直接指示を出すのは色々とアウトらしいのだが、アウトじゃないらしい(?)。もう滅茶苦茶だ。
報酬がふわふわしてる
働く上で現場から自分に対して現場から一体どれだけの単価が発生しているのか?
そんなもの全く働いているエンジニアに提示されません。
仮に頑張りが認められ現場が単価を上げてくれていたとしても、基本給料は変わらない。そもそも自分がどんな契約を結ばれて仕事をしているのかさえ不明なのです。
退職を決意した決め手
そんな感じで色々と問題のあるSESですが、中で仕事を辞めたいと思う決定打となったのが、
「スキルシートを案件に合わせて勝手に改ざん」
されたことが発覚した時だ。
面談時に僕が確認できる状態なら「ああ、今回も盛ってるな」くらいで済みますが、この時は僕には知らないところでいい様に改ざんされました。
これについて会社に追及しましたが、全く問題無いと言い張られました。自分が勝手に何でもできる人間にされていて、相手もそう思っている。だが実際はそこまでのスキルは持ち合わせていない。
このミスマッチのどこが問題無いのか疑問だ。
SESのいいところ

いいところなんて正直ない。
様々な業務やスキルを体験できる
目まぐるしく現場が変わるため、その度に新しい技術を学べます。それが本当に必要なスキルなのかは分かりませんがね。
未経験は入りやすい(※なお)
未経験からIT業界に足を踏み入れようとするとハードルが高く、こういった比較的簡単に入れるSES企業に入ってしまうのもわかるし、実際僕もすぐに内定が出たからと言って何も考えずに就職しました。
でも「未経験歓迎」だの「研修充実」だのといった言葉ははっきり言って嘘と言っても差し支えない。
要はSES企業からすれば、捕まえた人間をあの手この手で現場に出してしまいさえすれば勝ちなんですよね。それがどんなにミスマッチでも。「案件が合わなければ変更も可能ですよ!」なんてことも良く言うが、実際に僕が案件変更を打診して何かが改善されたことは1度もありませんでした。
まとめ
以上が僕が1年半でSESエンジニアを辞めた話でした。
SESへの就職、転職を考えている方の参考になれば幸いです。
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